メーカー製パソコン購入で後悔しないオプション変更と選び方

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今年から来年にかけては人工知能によってパソコンの使い方が変わることが予想されます。これからは簡単なパソコン操作は人工知能に任せ、人工知能に指示を出すパソコンが求められるようになります。

2種類のパソコン

パソコンは用途別に2種類があります。SNSに自分の趣味や日常を載せて交友を楽しんだりWEB通販で買物をしたりする「情報を提供してお金を使うパソコン」と人工知能で世界の趨勢情報を把握して指示したりWEB通販で商品を販売したりするなどの「情報を取集してお金を稼ぐパソコン」です。 趣味とゲーム用を除けば、家庭向けの「お金を使うパソコン」はロースペックで足りますが、仕事向けの「お金を稼ぐパソコン」はある程度のスペックが必要になります。 これからは少しでも早くパソコンのハードウェアとソフトウェアとネットワークの仕組みを把握して「パソコンを操作する能力」から「パソコンに何をさせるか考える能力」に変化した人が未来に対応できると言えます。

メーカーパソコン直販サイトの構成は2タイプ

家電量販店等でパソコンを購入する場合は、展示されている数機種から選ぶことになりますが、メーカーの直販サイトで購入する場合は、CPUやメモリ、ストレージといったパソコンパーツの構成を変更することができるようになっています。
用途や予算に応じてメモリを増やすとか、ストレージの容量を増やすことができるのです。
メーカー製パソコンは大勢の人に無理なく使ってもらうためにバランスを取った構成が用意され、限られた範囲でカスタマイズするので、特定のパーツだけを高性能にしたり、廉価パソコンに大型グラフィックボードを搭載するような組み合わせはできません。
メーカー直販サイトは大別すると「多機種を用意しているが機種ごとの変更項目の幅は狭い」メーカーと「機種は多くないがそれぞれの変更項目や内容の幅が広い」メーカーに分けられます。
これを踏まえたメーカーパソコンの選び方は、後から追加や変更ができない主要部品やソフトウェアを優先して選ぶことです。
ロースペックのパソコンにオプションを全部追加するより、高性能構成の本体だけを購入するのが中級者的なパソコンの選び方と言えます。

パソコンの選択ポイントはハードウェア3種とソフトウェア2種だけ

ハードウェアの選択ポイントは「メインメモリ」、「ストレージ」、「CPU」の三種類です。 ソフトウェアの選択肢は「Windowsの種類」の選択と「MS Office」を追加するかです。
これらはオプションで選択することもできますが、スペックを下げても価格は大幅に変わらないので、初期状態のままで最低限必要な要素が搭載されている機種を選ぶのが目安です。

メインメモリ

メインメモリは16GB以上、最低でも8GBを確保しよう

パソコンの仕様には「メモリ」とだけ書かれいる以外に「キャッシュメモリ」とか「グラフィックメモリ」と書かれいる項目が追加されていることも多くなってきました。
「キャッシュメモリ」はCPUに内蔵される処理を高速にするためのメモリでその単位はMB(メガバイト)でメインメモリのGB(ギガバイト)とは3桁異なりますが、見誤ることがあります。
「グラフィックメモリ」は画像や動画の処理に使われる「グラフィックチップ」や「グラフィックボード」に付随するメモリでその単位はメインメモリと同じGBで容量は2GB~16GB以上のものまであります。
しかし、「グラフィックチップ」の欄に「インテル® UHD グラフィックス」等と記載されている場合は「CPU内蔵グラフィック機能」のため、グラフィックメモリは搭載されておらず、パソコンのメインメモリの一部を割いてグラフィックメモリとして使います。
メインメモリは16GBあれば何用でも不自由することは少ないですが、 4GBでは少なくCPUを高性能なものを選んでも性能を発揮することができません。
これはWEB検索やメール送信程度の作業では4GBでも足りますが、動画を見たりデジカメ写真の加工をするときにグラフィック機能にメインメモリから1GB~4GBグラフィックスメモリとして割かれるので、メインメモリが4GBでは残りが不足するためです。
CPUをワンランク下げてもメインメモリは最低で8GB、出来る限り16GB以上を確保するのが賢明です。
また、動画や写真は高画質化しているのでパソコンを2~3年以上使うことを考えるとメインメモリは通常使用で16GB、クリエイティブ系で32GB欲しいところです。
なお、クリエイティブ系の画像処理や動画制作ではCPU内蔵グラフィックとは別途のグラフィックチップ(ノートの場合)やグラフィックボード(デスクトップの場合)搭載が必須条件です。

ストレージ

ストレージは容量よりもPCIe接続のM.2SSDを重視しよう

パソコンで作ったデータやファイルを保存しておくストレージデバイス(通称ストレージ)には大きく分けて「小さな金属箱の中で磁性体を塗った円盤がグルグル回っているHDD(ハードディスクドライブ)」と「回転部分のない集積回路で構成されているSSD(ソリッドステートドライブ)」の2種類があります。
現在Winodwsをインストールする基本となるストレージに使われているのは動作が高速なSSDです。
このSSDはさらに「SATA接続 2.5インチSSD(サタ接続ニーテンゴインチエスエスディー)」、「SATA接続 M.2SSD(サタ接続エムドットツーエスエスディー)」、「PCIe接続 M.2 SSD(ピーシーアイイー接続エムドットツーエスエスディー)」が主な3種類となっていて、最速品は「PCIe接続 M.2SSD」で動作速度が一桁位違います。
SATA接続のSATAはシリアルATAの略で、昔のHDDやCD-ROMドライブの接続に使われていたATAの後継規格です。
ストレージ種類が「PCIe接続 M.2 SSD」となっている場合は高速な「M.2 SSD」ですが、単に「M.2 SSD」となっている場合は「SATA接続 M.2 SSD」のこともあります。
さらに、「SSD」とだけ記載されているときは、「SATA接続 2.5インチSSD」のこともあるので要注意です。
もっとも、「SATA接続 2.5インチSSD」の場合でもHDDの3倍から6倍の転送速度があります。
なお、セカンドストレージとして「HDD」が選択できるパソコンがあり、HDDは容量に比べて価格が安いことと、頻繁な書換えに強い特徴があるので、大容量の動画編集や保存を行う場合によく使われています。
PCIeはPCI-Express(ピーシーアイエクスプレス)の略で、世代ごとに「Gen3(32Gbp/s)やGen4(64Gbp/s)」などがあり、2023年6月では「Gen6256Gbp/s」が最新です。
また、「PCIe接続 M.2 SSD」は接続したデータをやりとりする通信規格の「NVMe(Non-Volatile Memory Expressの略)」から「M.2 SSD(NVMe)」と書かれていることもあります。
ストレージの容量はOSのWinodwsとアプリケーションソフトウェアがインストールされた残りの容量が実容量となるので、少なくとも256GB、できれば512GBあれば快適です。
保存データが多い場合や動画編集を行うパソコンではOSやソフトウェアをインストールするストレージとは別にセカンドストレージとしてSSDやHDDを追加する方がOSやソフトウェアの不具合が出た場合の影響を避けられるので安全です。

CPU

CPUは選択肢が上下1ランクの幅で「Core i5」が売れ筋です

パソコンに搭載されているインテル製のCPUでは「Core i5」が一番人気が有り、次に売れているのは「Celeron(セレロン)」です。
メーカー直販サイトでパソコンを注文する際にCPUの変更範囲は1ランクから2ランク程度の幅になっています。
これは、省電力のCPUを高性能なCPUに変更するには電源ユニットの交換や基板の交換やケースを含めた冷却システムの変更が必要なためで、同じ筐体で「Celeron」から「Core i9」まで選択して変更できるモデルはありません。
選択肢は「Core i5・Core i7」や「Core i3・Core i5」や「Celeron・Core i3・Core i5」や「Core i7・Core i9」などになっています。
ハイエンドパソコン以外の選択肢のどこにでも出てくる「Core i5」ですが、価格の割に性能が高いのでお得感があり、大抵の用途に対応できるからです。
「Celeron」の場合は企業で決済時の「10万円の壁」をクリアすることや、家庭で「WEBショッピングとSNSとメールだけに使う」パソコンや、用途が決まっていない「取り敢えずパソコン」として購入されることが現状です。
これからパソコンを使いこなそうという方であれば用途の限られる「Celeron」よりも、汎用で「つぶしが効くCore i5」がおすすめですが、予算が限られている場合はCeleronとコア数は同じでもスレッド数が倍の「Core i3」を選びたいものです。
勿論、用途が決まっているならば「Core i7・Core i9」を選ぶことで変換時間などを短縮できるので費用対効果を考えると高性能パソコンはメリット膨大です。

WindowsOS

中級者にはHome版よりメリットの多いpro版がオススメ

家電量販店で販売されているWindowsパソコンの大半がOSに「Winows11 Home」を採用し、OSに「Winows11 pro」を搭載しているパソコンは取寄せ扱いが多くなっています。
反面、中大企業や技術系の中小企業でもパソコンのOSは「Wondows10 pro」や「Windows11 pro」を使っています。
これには2つの理由があります。
1つは、Home版に比べてpro版の方が「グループ ポリシー エディタ」を使ってWindowsの細かい設定が出来ることを始めとして機能が豊富なですが、設定するにはパソコン知識に加えてネットワークの知識も必要になり、パソコン初心者の方ではどう操作すると何が変わるか分らないので、中級者にには便利で必須とも言える「pro版」ですが、新規にパソコンを購入する初心者ユーザーにはどこが違うのか伝えるのが難しいためです。
もう1つの理由は、「pro版」が「Home版」よりも「高額」なことです。
その差額はWondows単体で販売されているパッケージ版で変動があるものの「約1万円弱」です。
メーカーは大量に仕入れるのでこれより差額は少ないと思われますが1円単位でコスト削減しているメーカーパソコンとしては競争上メモリやストレージのような「数値表せない差」なので、初心者が多い家電量販店には置かれないのです。

中級者に必須のWindows Home版にはないWindows pro版の機能

Winodws11pro版はWinodws11Home版の全ての機能に加えて以下の機能を備えています。
Windows Update for Business
Windows更新でビジネスが影響を受けることを防ぐために、機能更新プログラムの適用を最大で365日延期、品質更新プログラムを最大30日まで延期できるので、Windows更新での不具合の有無を確認したり解消後に更新することで安定した運用ができることが最大のメリットとなっています。
グループポリシーエディター
更新のタイミングや各種のセキュリティーの設定ができるほか、LANをドメイン管理している場合は複数のパソコン設定をまとめて管理できます。
この他に、
ローカルユーザーの追加
リモートデスクトップのホスト機能
キオスクモードの設定(割り当てられたアクセス)
Active Directoryのサポート
Hyper-Vの利用
Enterprise State Roaming と Azure
Azure Active Directoryのサポート
ビジネス向け Windows ストア
BitLockerの有効化
などが追加されています。
ちなみに、メーカー製パソコンのHome版とpro版の価格差は、Microsoft ストアでHomeからProへのアップグレードする価格やpro版を購入するよりも割安なので魅力が有ります。

Officeの選択肢は5択

Office2021は最後の買いきり版になる可能性が多い

パソコンへの「MS Office」導入の選択肢は5つあります。
【1】MS Office2021 Personalを導入
【2】MS Office2021 Home & Businessを導入
【3】MS Office2021 Professionalを導入
【4】MS Office 365を導入
【5】MS Officeを導入しない
【1】【2】【3】は永続ライセンスと呼ばれる1回払いの買い切り型で、
【4】はサブスクリプションと呼ばれる毎月(毎年)の支払継続型です。
【5】は後でMS Officeが必要になってから導入したり、類似のフリーソフト(LibreOffice)などを使う方向けの選択肢です。
これから社会へ出る学生さんの場合は【1】よりもプレゼンに多用されるパワーポイントの加わった【2】がオススメです。
業務内容によってはデータベースのMS Accessが必要なこともあり【3】も候補になりますが高額なため、単体のMS Accessを追加購入するのも一考です。
なお、メーカーパソコンに導入のMS Office2021と単品販売されているMS Office2021ではインストールできる台数や利用時のインターネット接続の接続が必須か否かなどの違いがあります。
また、マイクロソフト社がサブスクリプションタイプを重視する意向を示しているので将来的にはアドビ社の製品のようになり、MS Office 2021が買い切りで使える最後のオフィスバージョンになる可能性があります。
しかし、MS Office 2021は買い切り型の永続ライセンスですが、サポートには期限があります。
MS Office 2021のサポート期間5年間なのでサポート期限は2026年10月13日までです。
ビジネス用途向けのメーカー製パソコンを直販サイトで購入の場合、利用者の選択枝が表示されるようになっています。
これはMS Office 2021は使用目的に応じて「個人向け」と「企業向け」の2つの利用ライセンス契約があり、個人購入でもSOHOなどで複数のスタッフが使用するパソコンの場合は、購入時の利用者選択は「個人向け」ではなく、「企業向け」を選択することでMS Office使用時にMSアカウントの切り替えをしなくて済みます。
個人向けライセンスで購入したMS Office 2021がインストールされているパソコンに個人アカウントでログインしているパソコンを他の人が使うとクラウドへ保存している個人データにもアクセスできるため、例えばプライベートの忘年会写真などが見られたりメールに添付して送信されたりする懸念もあります。

コスパ優先ならば①分離型デスクトップパソコン②ノートパソコンの二択

タブレット以外のメーカーパソコンには「ノートパソコン」と「分離型デスクトップパソコン」と「オールインワン型デスクトップパソコン」の三種類がありますが、法人の役員さんの前に置かれていることが多い「オールインワン型デスクトップパソコン」はTV機能やワイヤレス操作など周辺機能を盛り込んだことでパソコン部分のスペックに対して高価格になっているため、コストパフォーマンスの良いビジネス系や業務向けのパソコンとしては「ノートパソコン」と「分離型デスクトップパソコン」の二択となります。
なお、オプションで見かけることが多いワイヤレスマウスとワイヤレスキーボードはケーブルを絡めることがなくて便利なため、高齢者の方に人気がありますが、僅かながら操作が反映さるまでにタイムラグがあるので、操作に性格なタイミングを要するクリエイティブ系や動きの速いゲームへの対応は微妙なものがあります。

予算がきびしいときは

とは言え、予算が限られているのはよくあること、特に「10万円以下」と言う場合のパソコンの基本スペックは各社とも以下が多いのです。
業務使用には厳しい廉価パソコンのスペック
メインメモリ:4GB
ストレージ:128GB
CPU:Celeron
OS:Windows 11 Home
MS Offce:なし
ズバリ!お勧めのカスタマイズ変更例は、メモリ4GBを8GBに変更です。
避けたいカスタマイズ例は、上記スペックのままでの「MS Offce追加」です。動作はしますがパソコンの動作が緩慢になります。メモリ増設を優先して、MS Offceが必要な場合はは後から追加するのがベストです。
一般的なビジネスユース向けのスペック目安は以下です。
業務使用に無難なパソコンのスペック
メインメモリ:16GB
ストレージ:512GB
CPU:Copre-i5 (12世代以降)
OS:Windows 11 pro
MS Offce:MS Office2021 Home & Business
なお、ディスプレイを中古品にしてコストを抑える方法もあります。
また、クリエイティブ系などで予算は潤沢だがメーカーパソコンでスペックが不足する場合や、特定機能に注力したパソコンが欲しい場合はBTOパソコンと呼ばれるオーダーメイドパソコン注文も選択肢に入れてみましょう。
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