CPUの型番の見方
ソケット
先ず、現在発売されているCPUの接続部分には基板上のソケットに介して取り付けるLand Grid Array略して「LGA」と基板にCPUの接点を直接はんだ付けして取り付けるBall Grid Array略して「BGA」の2種類が有ります。LGA接続のCPUは主にデスクトップタイプのパソコンに使われ、BGA接続のCPUは主にノートパソコンやタブレットや組込み機器に使われています。
数字
また、CPUの数字はCore i シリーズの型番ではi9やi3に続く数字が世代を表します。その次がモデル名でLGAのi9ならば900が、i7ならば700が、i5なら500が中心モデルになり、消費電力や周波数で類型モデルが登場します。
アルファベット
そして、数字の後のアルファベットが、高性能や省電力といったバリエーションを以下のように表します。【無印】基本形。
【B】無印と同スペックだがソケットがBGAで主にモバイル向け製品。
【F】内蔵描画機能無し(無効)製品、このため別途グラフィックチップ(グラフィックボード)が必要。
【G】(主にモバイル向け)内蔵描画機能を強化した製品。Gの後の数字が大きいほど高性能製品。
【H】(主にモバイル向け)基本形より性能が高い製品。
【HK】(主にモバイル向け)HとKを組み合わせた超高性能製品。
【K】基本形より1階級上、オーバークロック可能で倍率ロック解除された製品。
【KF】KとFを組み合わせ高性能製品。
【KS】KとSを組み合わせた内容で、オーバークロック可能かつ通常より省電力な製品。
【M】(主にモバイル向け)省電力製品。
【P】(主にモバイル向け)モバイル用の基本製品。
【S】(主にモバイル向け)省電力製品。
【T】(主にモバイル向け)Sよりもさらに超省電力な製品。
【U】(主にモバイル向け)Mよりもさらに極省電力な製品。
【Y】(主にモバイル向け)弩級省電力製品。
2023年のCore i シリーズの基本形の状況
ここでは過去数年から2023年までのCPUの型番末尾が無印の「基本モデル」だけを抜き出してみました。性能値の進化具合がよく分ると思います。Core i9 シリーズ
製品名 | 登場時期 | 世代/シリーズ | コア数 | TDP※ | ソケット | 性能目安 |
---|---|---|---|---|---|---|
Core i9-13900 | 2023年 01月~03月 | 第13世代 | 24 コア | 65 W※ | LGA1700 | 100.0 |
Core i9-12900 | 2022年 01月~03月 | 第12世代 | 16 コア | 65 W※ | LGA1700 | 69.0 |
Core i9-11900 | 2021年 01月~03月 | 第11世代 | 8 コア | 65 W | LGA1200 | 45.5 |
Core i9-10900 | 2020年 04月~06月 | 第10世代 | 10 コア | 65 W | LGA1200 | 40.0 |
Core i9-9900 | 2019年 04月~06月 | 第9世代 | 8 コア | 65 W | LGA1151 | 33.2 |
Core i7 シリーズ
製品名 | 登場時期 | 世代/シリーズ | コア数 | TDP※ | ソケット | 性能目安 |
---|---|---|---|---|---|---|
Core i7-13700 | 2023年 1月~3月 | 第13世代 | 16 コア | 65 W※ | LGA1700 | 78.5 |
Core i7-12700 | 2022年 01月~03月 | 第12世代 | 12 コア | 180 W | LGA1700 | 61.7 |
Core i7-11700 | 2021年 01月~03月 | 第11世代 | 8 コア | 65 W | LGA1200 | 39.8 |
Core i7-10700 | 2020年 04月~06月 | 第10世代 | 8 コア | 65 W | LGA1200 | 33.1 |
Core i7-9700 | 2019年 04月~06月 | 第9世代 | 8 コア | 65 W | LGA1151 | 26.4 |
Core i7-8700 | 2017年 10月~12月 | 第8世代 | 6 コア | 65 W | LGA1151 | 25.7 |
Core i5 シリーズ
製品名 | 登場時期 | 世代/シリーズ | コア数 | TDP※ | ソケット | 性能目安 |
---|---|---|---|---|---|---|
Core i5-13500 | 2023年 01月~03月 | 第13世代 | 14 コア | 65 W※ | LGA1700 | 65.0 |
Core i5-12500 | 2022年 01月~03月 | 第12世代 | 6 コア | 117 W | LGA1700 | 39.5 |
Core i5-11500 | 2021年 01月~03月 | 第11世代 | 6 コア | 65 W | LGA1200 | 34.7 |
Core i5-10500 | 2020年 04月~06月 | 第10世代 | 6 コア | 65 W | LGA1200 | 25.5 |
Core i5-9500 | 2019年 04月~06月 | 第9世代 | 6 コア | 65 W | LGA1151 | 19.4 |
Core i5-8500 | 2018年 04月~06月 | 第8世代 | 6 コア | 65 W | LGA1151 | 19.0 |
Core i3 シリーズ
製品名 | 登場時期 | 世代/シリーズ | コア数 | TDP※ | ソケット | 性能目安 |
---|---|---|---|---|---|---|
Core i3-13100 | 2023年 01月~03月 | 第13世代 | 4 コア | 60 W※ | LGA1700 | 30.3 |
Core i3-12300 | 2022年 01月~03月 | 第12世代 | 4 コア | 60 W※ | LGA1700 | 29.5 |
Core i3-10300 | 2020年 04月~06月 | 第10世代 | 4 コア | 65 W | LGA1200 | 18.7 |
Core i3-9300 | 2019年 04月~06月 | 第9世代 | 4 コア | 62 W | LGA1151 | 14.4 |
Core i3-8300 | 2018年 04月~06月 | 第8世代 | 4 コア | 62 W | LGA1151 | 12.4 |
※Core i3シリーズの11世代のLGAモデルは発表されていないようです。 ※Core i3シリーズの基本形と言えるCore i3-13300は2023年4月現在未登場です。
用途別の性能目安
当サイトでは別ページにCPUの性能目安を載せていますが、性能目安に応じたおおよその用途は以下のようになります。◆日常《WEB・SNS・メール》2~
◆汎用事務《WEB・メール・Office》10~
◆専門業務《会計・Web更新・資料作成》20~
◆クリエイティブ《Web制作・画像処理》30~
◆クリエイティブ《設計・デザイン・システム》40~
◆クリエイティブ《動画制作・3D設計・ゲーム》50~
CPUのコア数と消費電力
CPUのコア数は2コアから24コアまで幅広くあり、マルチスレッドと呼ばれる作業を分割して並行処理する動作に対応したアプリケーションソフトを使う場合は有利ですが、ノートパソコンでメールとメモ帳の使用が中心の場合などは、多コアのメリット享受よりも電力消費による駆動時間の減少デメリットあるので、アプリケーションソフトに応じたコア数選択が賢明です。また、ノートパソコンではパフォーマンス以上にバッテリーの駆動時間とそれに比例する製品重量が重視されているため、最新CPUでは軽作業時に複数コアの一部を休眠させて消費電力を抑える技術が取り入れられています。
過去10年間の主なCPUの性能は当サイトの、 ・Core i9 ・Core i7 ・Core i5 ・Core i3 ・Pentium ・Celelon 各ページでご覧ください。